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江戸時代に刊行された『江戸砂子』や『東都歳事記』に掲載されている江戸六地蔵(最初建立)を紹介しています。

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江戸六地蔵(最初建立)

目次

出典

概要

江戸六地蔵は『続江戸砂子』で「江戸六地蔵最初建立の地」、『東都歳事記』で「最初建立江戸六地蔵参」と紹介されている霊場で、本誉空無によって元禄3年(1690)※に開眼供養されました。後の地蔵坊正元による江戸六地蔵と区別するために『続江戸砂子』では「始(はじめ)の六地蔵」とも呼ばれています。ここでは仮に「江戸六地蔵(最初建立)」と名付けました。
開眼当初の像は専念寺のみに伝えられていますが、『東都歳事記』の記述によると全て銅製の立像だったようです。

※『続江戸砂子』『東都歳事記』では元禄4年を開眼供養の年としていますが、関口静雄氏は下記論文で元禄3年と考察されています。

札所一覧

江戸六地蔵(最初建立)の一覧です。前述の両書を基にまとめています。

1番 駒込 瑞泰寺
檀陀地蔵
空無造立の地蔵菩薩は、関東大震災で破損し太平洋戦争の戦火で焼失したが、再造立された。
現在の所在地:東京都文京区向丘2-36-1

2番 千駄木 専念寺
宝珠地蔵
空無造立の地蔵菩薩が現存する。
現在の所在地:東京都文京区千駄木1-22

3番 日暮里 浄光寺
宝印地蔵
文化6年(1809)造立の銅造地蔵菩薩を代仏としている。
現在の所在地:東京都荒川区西日暮里3-4-3

4番 下谷 心行寺
持地地蔵
失われたが木像で再造立され現存する。
現在の所在地:大正14年(1925)に移転。東京都府中市紅葉丘2-32-14

5番 上野 大仏堂の内部
除蓋地蔵
上野大仏の脇に造立されたが天保14年に大仏と共に焼失。しかし、大仏と共に再造立された。上野両大師境内の阿弥陀堂内にある地蔵菩薩が該当するか。
現在の所在地:東京都台東区上野公園16-13

6番 浅草 浅草寺内正智院
日光地蔵
失われたが、かつては代仏があったようだ。
現在の所在地:東京都台東区浅草2-31-3

参考文献

〔資料〕玉川大学教育学術情報図書館蔵『本誉空無上人道影賛』翻刻と解題
関口静雄著/2020年/昭和女子大学近代文化研究所『学苑』第958号
『江戸・東京札所事典』
塚田芳雄著/平成元年発行/下町タイムス社


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